「あなたは、顔をクシュクシュする癖がある」と
母に言われたのが10代の頃。
どうも人差し指で、鼻の下から輪を描くように、
こする癖があるようでした。
イラスト by 吉山みかん様
ガンヴォルト爪(そう)の
パンテーラのイラストコンペ
受賞作品
丁度、猫が顔を洗う時の仕草に似ている、という事です。
その時は、「へぇ~っ」と思っただけですが、
気が付けば、鼻の下から、クシュクシュ。
母は珍しく行儀が悪いと怒らなかったし、
猫の仕草と思えば、なんだか可愛くも思えるので、
「まあ、いっか!」くらいに思っていました。
ところが、10代後半になって、
メイクをする機会があると、話は別です。
ふと手が顔に伸びると、
いけない、いけない、と手を引っ込めるのですが、
普段、自由奔放にやっている癖を抑えるというのは、
すごーくストレスがかかるんです。
どうしても痒い時などは、
ティッシュで軽く鼻の下を押さえる事でしのぎますが、
一日過ぎる頃には緊張で、ぐったりしてしまいます。
それで、癖を直そうとしたかというと、
それは逆で、メイクを諦めてしまったのです。
するとしても簡単な下地とか、日焼け止めくらいのものです。
鏡を見ながら、もうちょっとしっかりメイクしようかな?
とは思うのですが、人差し指で猫のように
鼻の下を思いっ切りこする快感には勝てないのでした。